ドライオーガズム (dry orgasm) とは、男性が射精を伴わずに得るオーガズムです。
射精しないため何度でもイクことができ、その快感は女性のオーガズムに匹敵すると言われるほど。
ドライオーガズムの仕組みや長所・短所を解説します。
ドライオーガズムのメカニズムとは
ドライオーガズムのメカニズムを語る前に、まずは射精の仕組みについて説明しておきます。
射精は脊髄反射で起きる
ざっくり説明すれば、射精は「脊髄反射」によって起きる現象です。
脊髄反射とは、例えば膝を叩いたときに勝手に脛が持ち上がるような反射のこと。
射精もそれと同じく、脊髄にある射精中枢からの命令で起こる反射です。
この射精中枢からの命令はペニスに一定量の刺激が伝わることによってなされ、発令されると自分の意思では止めることができません。
前立腺の役割は精液を押し出す「ポンプ」
射精の際、前立腺が大きな役割を果たします。
射精における前立腺の役割は主に2つあります。
前立腺液の分泌
前立腺には、前立腺液を分泌する役割があります。
前立腺液は精液の25%を占める体液で、精液に栄養素を与えたり精子を活性化したりする役割を果たしています。
ちなみに精液特有の「栗の花」臭は、前立腺液に含まれるスペルミンという物質の匂いです。
精液を尿道に押し出す
前立腺にはもうひとつ、とても重要な役割があります。それは精液を尿道へと押し出すポンプとしての役割です。
性的興奮が高まると脊髄の射精中枢が反応し、精巣で製造された精子が精嚢を経て前立腺へ運ばれます。
そこで精子は前立腺液や精嚢液と混ざりあい、精液になります。
この段階で、精液が溜まっている前立腺は内圧がかなり高まっています。これは精液の放出を防ぐため膀胱括約筋や尿道括約筋がギュッと締まっているからです。
そして、興奮がピークに達すると尿道括約筋が弛緩します。このとき圧力によって前立腺が収縮して精液が押し出され、会陰部にある球海綿体筋の脈動によって尿道内を運ばれて勢いよく体外へと放出されるのです。
以上が「射精」の仕組みについての説明となります。
射精時のあの強烈な快感は、この前立腺や球海綿体筋の激しい収縮によるものです。
つまり、前立腺は精液を尿道に押し出すポンプであり、同時にオーガズムにも深く関わっているというわけです。
そう、射精中枢を刺激せずに(脊髄反射を起こさず)前立腺だけを痙攣させることができれば、射精せずに絶頂感を得られるということ。
つまり、前立腺を意図的に収縮させることで(射精をしていないのに)あたかも射精をしているように脳が錯覚を起こす――これがドライオーガズムが起きる仕組みなのです。
ドライオーガズムを達成するコツ
ドライオーガズムを実現するには、前立腺マッサージの際はぺニスに極力触れず、前立腺のみの刺激に集中することが不可欠。
なぜなら、ペニスを刺激すると射精中枢の命令で精子が前立腺内に移動して、射精してしまいまうからです。
そのためには、エネマグラ(アネロス)を使うのが効率的です。
初心者は指を使った方がやりやすいと思いますが、感覚を掴んだら前立腺マッサージ専用に設計された器具を使うことをおすすめします。
その際、ドライオーガズムのコツとして大事なポイントがあります。それは「喘ぎ声を出す」ということ!
人間の体は、男女を問わず、喘ぎ声を出すことでオーガズムの受け入れ準備態勢を整えるようにできています。
前立腺マッサージをするときも、やはり積極的に喘ぎ声を出した方がドライオーガズムを迎えやすくなるわけです。
喘ぎ声でエネマグラを動かす
前立腺マッサージで喘ぎ声を出す効用は、エネマグラを使うとより実感できます。
エネマグラを使っていて、呼吸のリズムに合わせてエネマグラが直腸内で勝手に動くのを経験したことがありませんか?(腹式呼吸を意識し、深呼吸していることが前提)。
これは、息を吸ったり吐いたりすると骨盤底筋(PC筋)や肛門括約筋も一緒になって動くから。
前立腺マッサージでドライオーガズムを導くには、このように筋肉の動きで前立腺を間接的に刺激してあげることが大切なのです。
大声で喘いでいると、括約筋によってエネマグラの蠕動(ぜんどう)が促されて前立腺が刺激されます。
そこでエネマグラの動きに意識を集中し、さらに「息を吸う/吐く」の動作を繰り返していると、だんだん開放的な気分になります。
そのうち、快感が下半身に集まってくるのを感じるはず。それがドライオーガズムの兆候です。
ドライオーガズム達成までの時間
ドライオーガズムは、一朝一夕で達成できるものではありません。
セックス経験が浅い女の子がなかなかイケないように、前立腺を開発するにはある程度の時間がかかるものです。
ですから、なかなかドライオーガズムできなくても心配ありません。根気よく開発していけば、ドライオーガズムは向こうからやってきます。
その開発にかかる時間は、目安として30時間以上と言われています。
もちろん連続30時間ではなく、「トータル」での話。仮に、アナニーを毎日30分間するとしたら前立腺開発には2か月ほどかかる計算です。
もっとも、ドライオーガズム達成までにかかる所要時間(および期間)には個人差があります。上述したように2か月足らずでイケるケースもあれば、半年以上かかるケースもあるので、あくまでも参考程度にとどめておいてくださいね。
ドライオーガズムの長所と短所
通常のオーガズム(射精)と比べて、ドライオーガズムにはメリットが数多くあります。
ここではドライオーガズムのメリット(とデメリット)をご紹介します。
ドライオーガズムのメリット
快感が長時間持続する
ドライオーガズムの快感は、波のように何度も体感できます(場合によっては1時間以上も快感を得られるケースもあるとか)。
ドライオーガズムには射精というゴールがないため、いつまでも気持ちいい状態が続くのです。
射精よりはるかに気持ちいい
ドライオーガズムに達すると、体中を突き抜けるほどの快感が走ります。
とめどなく押し寄せてくる快感の波に身体がガクガク震えて、女性のように体を預けて喘いでしまうほどです。
賢者タイムがない
射精した直後、急に頭が冷静になって性欲が醒めてしまったり、虚脱感に襲われたりする「賢者タイム」。
ドライオーガズムにはこの賢者タイムがありません。
むしろ、オキシトシンという「愛情ホルモン」が分泌されるため、幸福感に包まれます。
ドライオーガズムのデメリット
達成までに時間がかかる
前立腺を開発して快感を得られるようになるには、平均して2か月~1年程度はかかると言われています。
ドライオーガズムの達成には、根気強さが必要なのです。
前立腺開発が難しい
前立腺はとてもデリケートな器官です。だから、前立腺開発に細心の注意が必要となります。
万が一、直腸を傷つけてしまったら出血が止まらなくなって、病院送りなんて恥ずかしい思いをすることも。くれぐれもご注意ください。
ドライオーガズムの口コミ体験談
ドライオーガズムを実際に体験した人の口コミを集めてみました。
ドライオーガズムは、本当にクセになるほど気持ちがいい。時間に余裕のある時は、1回絶頂を迎えてもすぐにまたしたくなって、前立腺刺激グッズを入れたままの状態で始めてしまう。オーガズムを覚えた女性が、何度も男性に求める気持ちが分かった。
前立腺刺激でドライオーガズムを経験できるようになると、いろいろな部位でドライオーガズムを引き出せるか試してみたくなる。今は乳首責めでドライオーガズムを経験中。こんなに気持ちがいいものなら、もっと早くドライオーガズムを体験しておきたかった。
概ね、好意的な意見が多いようです。
一方、ドライオーガズムがあまりにも気持ちよすぎて怖くなった、といった声もあります。
ドライオーガズムを覚えたての頃、何度も連続してやっているうちに、フラッシュバックに似た症状に陥った。街を歩いている時でも、急に『絶頂』がやってきて目が眩み、立っていられなくなったので、それから少しずつ回数を少なくして間隔を空けるようにしている。
ドライオーガズムの感じ方は人それぞれ。
他人のことはあまり気にせず、感じるままにドライオーガズムを楽しむのが一番ではないでしょうか。