風俗のお仕事でよく耳にする言葉でも、なんでそう言うのか知らない言葉ありますよね。
知らなくても叱られることはないと思いますが、知っていると面白いですし、何かの役に立つかもしれません。
そこで今回は知っていると面白い風俗の業界用語の語源をお教えします。
昔からある風俗業界用語
まずは、江戸時代の遊郭などで使われるようになった昔からある風俗業界用語です。
源氏名
「源氏名」とは、風俗嬢がお店で働く時の本名ではない名前のことです。
元々は平安時代に貴族に仕える女官が、『源氏物語』の巻名や登場人物などにちなんだ別名を使っていたのが始まりです。
その習慣が遊女(売春婦)の間にも広まり、それ以降の時代でも続きました。
江戸時代の遊郭では『源氏物語』とは関係のない名前も使われるようになりましたが、「源氏名」という呼び方は変わらず、そのまま現在でも使われています。
吉原年齢
「吉原年齢」とは、元々は吉原で働く風俗嬢が使っていた実年齢とは違う年齢のことです。
吉原年齢は、3年で1歳と数えるのが基本です。
実年齢が23~25歳なら吉原年齢では21歳、実年齢が26~28歳なら吉原年齢では22歳になります。
お茶をひく
「お茶をひく」とは、お客様がつかなくて仕事がないことです。
江戸時代の吉原などの遊郭で、お客様がつかない遊女が茶葉を茶臼で挽いて抹茶の粉を作らされていたことが語源です。
ですから漢字で書く場合は、お茶を「引く」ではなく「挽く」となります。
本
「本」とは、風俗で仕事の回数を数える時の単位です。
これは江戸時代の遊郭で、1回の接客時間を線香1本が燃え尽きる時間(約30分)としていたことが語源です。
つまり線香がタイマー代わりだったという訳です。
男性のペニスの数のことではなかったんですね。
裏を返す
「裏を返す」とは、本指名してもらうことです。
これは江戸時代の遊郭で、指名された遊女の名札(壁に掛けられた木札)を裏返していたことが語源です。
このことから吉原では「2回目のお客様」という意味で使われるようになりました。
ちなみに「3回目以上のお客様」になると「馴染み」と呼んでいました。
尺八・即尺・ゴム尺・生尺
「尺八」とは、フェラチオ(男性器を口にくわえる性的行為)のことです。
本来の意味の尺八は、長さが一尺八寸(約54.5cm)ある日本の木管楽器(縦笛)のことです。
尺八を吹く様子がフェラチオに似ていることから隠語として使われるようになりました。
また、そこから派生して、接客が始まってすぐにする「即時の尺八」を「即尺」、コンドームをつけてする尺八を「ゴム尺」、コンドームをつけずにする尺八を「生尺」と言うようになりました。
最近できた風俗業界用語
インターネットの掲示板などで使われるようになった最近できた風俗業界用語もあります。
基盤・円盤
「基盤」とは、ネットスラング(インターネット上の俗語)でいわゆる本番行為(性行為)のことです。
「本番」という言葉自体が問題のある言葉とされていて削除や警告の対象になることが多いので、それを避ける為に掲示板に書き込む時は「本番」とは書かずに別の言葉に置き換えているのです。
「本番」の「本」から下の横棒「一」を引くと「木」になりますよね。
そして「木番(きばん)」を別の漢字に変換して「基盤」というようになりました。
「円盤」とは、基盤から派生してできた言葉で、お金(円)をもらって本番行為(基盤)をすることです。
地雷嬢・魚雷客
「地雷嬢」とは、お客様に嫌がられる容姿・サービスの風俗嬢のことです。
地面に埋める爆弾の「地雷」と同じように、お客様が痛い思いをする風俗嬢という訳ですね。
「魚雷客」とは、逆に風俗嬢に嫌がられるお客様のことです。
水中を進んで攻撃するミサイルの「魚雷」のように、風俗嬢が痛い思いをするお客様という訳です。
二輪車・三輪車・四輪車・大車輪
「二輪車」とは、ソープランドで3Pプレイをすることで、女の子1人を1つの車輪に例えた言い方です。
女の子の人数が3人なら「三輪車」、4人なら「四輪車」、それ以上なら「大車輪」となります。
風俗業界用語が由来の日常語
元々は風俗業界用語でしたが今では一般的に使われる日常語になった言葉もあります。
カマトト
「カマトト」とは、純情なふりをすることですが、元々は遊女に使われた言葉です。
「カマ」は「カマボコ」、「トト」は幼児語で「魚」のことですが、遊女がカマボコの原料が魚ということを知らないふりをしたことが由来です。
昔の遊女も接客の為に「ぶりっ子」をしていたんですね。
キザ
「キザ」とは、気取っていることを指す言葉ですが、これも遊郭が由来です。
気取ったお客様は「気に障(さわ)る」ことから「気障(きざわ)り」と言うようになり、略して「気障(キザ)」となりました。
あがり
お寿司屋さんなどで「お茶」のことを「あがり」と言いますが、これも遊郭の言葉から来ています。
上記のように遊郭で「お茶」という言葉はお客様がつかないことを指す為、縁起が良くありません。
その為、お客様が来店してお座敷に「上がる」時に出すお茶のことを「あがり」と言うようになり、それが風俗以外の業界でも使われるようになったのです。
冷やかし
「冷やかし」とは、お店などで見るだけで何も買わないことですが、これも遊郭が由来の言葉です。
吉原の遊郭から近い隅田川の紙すき職人達は、紙を水につけて冷やしている間は暇なので、遊女を見て回っていましたが、遊ぶほどの時間はないので遊女に声を掛けられても利用しませんでした。
そこから「紙を冷やかしている間だけ来る見物客」という意味で「冷やかし」と言うようになったのです。
指切り
約束をする時に歌う「指切りげんまん♪」という曲がありますが、この「指切り」も遊女が由来の言葉です。
気持ちが変わらないことを誓う為に遊女が小指の先を切ってお客様に渡すという習慣から生まれました。
ちなみに最初は本当に指を切って渡していましたが、次第に作り物の指を渡すようになっていったようです。
知っていると面白い風俗の業界用語の語源 まとめ
このように風俗業界用語には昔から使われているものもありますし、日常語にも風俗由来の言葉があるほど、歴史があるということが分かります。
知っていると、お客様との会話で役立つかもしれませんし、昔の遊女の接客方法も参考にできるかもしれませんよ。
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