これから風俗でお仕事をしたい女性、あるいは現在風俗でお仕事している女性が気になる話題と言えば「性病（性感染症）」問題だと思います。
性病問題は風俗に関わる人にとって大事なテーマですが、デリケートな話題だからか求人サイトのコラムなどで取り上げられることはあまりありません。
風俗業界でも、在籍する女性に対して性病検査の提出を求める風俗店が増えていますが、まだまだ女性個人に委ねているお店も多いのが現状です。
うーむ、女の子が自分のカラダを自分で守るために、性病検査の正しい知識を広めなくては……
そこで今回のコラムでは、みんなが気になる性病検査のテーマに蒼井マリが切り込んで、真面目に語ってみます。
性感染症にはどんな種類がある？
いきなりですが、下の厚生労働省ホームページで「性感染症」のページを覗いてみてください。
……ドキッとしますね。
グラフを見ると、昨年（2022年）に梅毒の感染者数がグッと増えているのがわかります。
これは梅毒に特化したデータですが、性病の種類はもちろんそれ以外にもたくさんあります。
風俗でお仕事をするうえで、定期的に検査を受けるべき性感染症には下記の種類があるとされています。
・性器ヘルペス
・性器カンジダ症
・性器クラミジア感染症
・膣トリコモナス症
・淋菌感染症
・HIV（後天性免疫不全症候群）
・梅毒トレポネーマ
このうち、淋菌感染症には「性器淋菌」「咽頭淋菌」の2種類が存在します。また、クラミジアも性器クラミジア感染症以外に「咽頭クラミジア感染症」があります。
咽頭への感染はフェラなどで感染するので、風俗で働く女性は検査しておくことをおすすめします。
性感染症危険度をチェックしてみましょう
性感染症にはかからないことが一番ですが、100パーセント防ぐのはなかなか難しいもの。そこで大事なのが「早期発見」です。
ひと口に性病と言っても、その症状はさまざまです。
「ん？ いつもとちょっと違うな」と自覚症状に気付いたときにセルフ診断できるように、簡単な性感染症危険度チェックをご用意しました。
下記の設問にあてはまった回答の数で、あなたが性病リスクが診断できますよ。
性感染症危険度をチェック
問1:黄色や緑色のおりものが出る
問2:おりものが白くてポロポロしている
問3:おりものに悪臭がある
問4:最近、おりものが多くなった
問5:外陰部にかゆみや痛みがある
問6:外陰部が赤く腫れている（あるいはただれている）
問7:外陰部に水ぶくれやイボ状のものがある
問8:月経以外の出血がある
問9:下腹部に原因不明の痛みや違和感がある
問10:セックス時や排尿時に痛みがある
問11:排尿時に痛みや違和感がある
問12:排尿時に尿道が熱く感じる
問13:残尿感がある
問14:尿道から膿のような分泌物が出る
問15:デリケートゾーンにかゆみや痛みがある
問16:デリケートゾーンが赤く腫れている（あるいはただれている）
問17:デリケートゾーンに水ぶくれやしこりがある
問18:鼠径部（太腿の付け根）に腫れや痛みがある
問19:コンドームを使わずにエッチをしたことがある
問20:オーラルセックスをしたことがある
問21:セックス前に風呂やシャワーを使わないことがある
問22:よく熱が出たり、のどが痛くなったりする
問23:今までに性感染症にかかったことがある
問24:パートナーが性感染症になったことがある
問25:性感染症の検査を受けたことがない
0個以上5個未満……危険度5％
あなたは「現在のところ」性感染症の可能性は低いです。
ただし、風俗で働いている以上、不特定多数の男性との性的接触は避けられません。
「性感染症じゃなくてよかった」と油断しないように。
5個以上10個未満……危険度35％
いくつか気になる点があるようです。
女性の場合、おりものの色や匂いの変化などの症状が現われたときは注意が必要です。
早めに病院を受診し、原因を確かめるようにしてください。
10個以上15個未満……危険度75％
性感染症のリスクがやや高めです。
自覚症状の有無にかかわらず、性感染症検査を受けておく方がよいでしょう。
少しでも気になる症状があれば放置せずに病院を受診してください。
15個以上26個未満……危険度95％
性感染症が疑われる症状があるようです。
ただ、いたずらに不安がるのは禁物。本当に性病なのかは検査しないと分かりません。
できるだけ早めに病院を受診し、きちんと原因を確かめましょう。
性病検査はどうやって受けるのか
性病検査を受ける場合、主な選択肢は
「クリニックで検査する」
「検査キットを使う」
上記いずれかの2択となります。
クリニックと検査キットのどちらがいいかは、基本的にお店の指示に従ってくださいね。
保健所で検査を受ける場合
自治体によっては、保健所に行けば無料で検査してもらえます。ただし、匿名性を守るため、検査後に改めて検査結果を確認に行く必要があります。
また、証明書の発行などができないので在籍店に結果を提出する場合には向かないでしょう。
【参考サイト】
東京都福祉保健局「検査・相談｜東京都性感染症ナビ」
では、ここではクリニックと検査キットを例に検査のやり方を説明します。
クリニック
性感染症の検査をメインにしているクリニックは、保険証不要で検査結果を発行してもらえることが多いです。
検査結果の証明書には本名ではなく、源氏名を記載してもらえます。検査結果は来院して直接聞く、あるいはウェブ上で確認することが可能。
項目数によってメニューが分かれていて、検査を受ける項目は看護師や先生と相談することもできます。
検査費用はクリニックにもよりますが、7項目＜クラミジア（性器・のど）、淋菌（性器・のど）、HIV、梅毒、B型肝炎）で20,000円～30,000円前後。
また、風俗嬢向けに検査費用の割引をしているクリニックもあります。
最近ではクリニックと提携している風俗店も増えていますよ。
性病検査キット
性病検査キットは、病院に行かなくても自宅などで気軽に検査できます。
「性病検査をしたいけど、病院に行く勇気がない」という女性にはおすすめ。誰にも見つかることなく、簡単に検査できるのが検査キットの大きなメリットと言えるでしょう。
性病検査キットはいろいろなメーカーが扱っています。検査キットを選ぶ際は、下記の点をチェックするようにしてください。
性病検査キットの選び方
検査項目
性病キットを選ぶときは、検査できる項目が多い製品を選ぶようにしましょう。
なぜなら、当たり前の話ですが、検査できる項目が少ないと、どの性病にかかっているのか判別不能なケースがあるからです。
もしも判別できない場合、再検査を受ける必要が出てきて追加費用がかかってしまいます。
コスパの面から考えても、あらかじめ検査項目の多い検査キットを選んでおいた方が安心でしょう。
検査費用
性病検査キットの費用は、基本的な検査6項目セット＜クラミジア（性器・のど）、淋菌（性器・のど）、カンジダ、トリコモナス＞で10,000円～20,000円前後とクリニックよりも若干安くなっています。
郵送キットの場合、送料も本体価格に含まれていることが多いです。販売会社によっては送料と再検査料は無料というケースもあるので、事前に確認しておきましょう。
検査キットをキャストに配布して検査を義務付けている風俗店では「●日以上出勤したら▲％オフ」というように割引してくれるケースもあります。
受け取り方法
受け取り方法は、販売会社などによってさまざまです。
上述したように風俗店が配布するケースもあれば、宅配便やメール便などで自宅に届けるケース、コンビニ受取や郵便局留めなどなど。
ちなみに、検査結果はクリニック同様に郵送で届く、もしくはウェブでの確認となります。
結果が届くまでの日数
検査結果は平均して2、3日で出ることが多く、遅くても一週間以内にはわかります。
ただし、キットが到着してからの日数になるので、実際に送った曜日や時間帯、郵便事情などによってプラス1～2日かかるケースもあります。
検査の精度
性病検査キットは、臨床検査に関する法律で定められた基準を満たしたものである必要があります。
基本的に、登録衛生検査所として認可されている検査機関のキットなら安心です。
（例）性病検査STDチェッカー
きちんと認可された検査所のキットを使えば、かなり高い精度で診断できます。
ただし、検査キットは自分で検体を採取するため、誤った手順で採取してしまってもそのまま提出できてしまいます。それでは正しい検査結果を得ることはできません。
検査キットを使うなら、きちんとやり方を理解したうえで受診することが大切です。
性病検査をした風俗嬢の体験談
風俗嬢という仕事柄「性病の検査を受けなくちゃ」と思い、大手通販サイトで売っているクラミジアや梅毒やエイズなど12項目の性病検査を受けられる市販の検査キットを購入しました。
そして自分で検査をし、検査キットを送りました。
10日後、検査結果が郵送で届き、クラミジアの陽性反応が出ていることが分かりました。
自覚症状がまったくなかったため驚きましたが、ネットで調べたところ女性の場合は症状があまり出ないこともあるということです。幸い早期発見だったので治療は思ったよりも簡単で、ジスロマックというシロップタイプの薬をされました。
これを1本飲むだけで完治です。クラミジアで通院しなくていいので助かりました！
ちなみに、ジスロマックは甘くて美味しいのですが、飲んで半日ぐらいはお腹を下す人が多いとネットには書いてありました。
薬剤師さんに副作用を聞くと、たしかにそういう症状が出る方もいますが、食事の影響を受けやすいので食事の前後2時間以上は服用の間隔をあけるようにとのこと。
昼食を早めに食べて午後3時くらいに飲んだところ、2時間後にお腹がグルグルしてきて、トイレに2回ほど行きました。
でも、思っていたよりも耐えられました。むしろスッキリした感じです。
今回は早めに治ってよかったのですが、これから1年に1回は必ず性病の検査を受けようと思います。
まとめ
風俗で働くなら、性病検査は定期的に受けた方がいいです。
「定期的に」というのは、業種やサービス内容によって頻度が異なります。
例えば、オナクラなどのソフトサービスの業種は検査をあまり要求されませんが、ヘルスやソープはお店が独自ルールで頻度を決めていたりします。出勤日数が多かったり、一度の出勤時間が長かったりする女の子だと、2週間に1回ぐらいの頻度でお店に検査キットをもらうケースもあるようです。
性病には潜伏期間があるため、出勤頻度が高い女の子は一度検査を受けて陰性でも安心はできません。そうした意味でも定期的に検査することが必要になってくるんです。
そうは言っても、検査費用がやはり気になりますよね。
性病検査の費用は、お店によって全額自己負担、一部お店負担などさまざま。出勤日数などの条件付きで負担額が変わることが多いようです。また、クリニックで受ける場合も、領収書を提出すれば一部返金してもらえたり、雑費免除などで対応してもらえるケースがあります。
風俗のお仕事はカラダが資本。性病にかかってお店を休んでしまったら、その間の収入がなくなってしまうので元も子もありません。
そうならないように、自分のカラダは自分で守るように意識して、定期的な性病検査を心がけたいものですね！
