以前、レズエッチの記事をアップしたところ、思いのほか大反響をいただきました。
編集部にたくさんのメッセージをいただきましたが、その中で多かったのが「セクのカテゴリーがわからない」という声です。
セクとは「セクシュアリティ」の略です。
日本語に訳すと「性的特質」。生物学的な性=セックスと文化的な性差=ジェンダーの両方を含んだ表現です。もっとざっくり言えば、見た目と内面・性的指向がどれだけ女性っぽいか(または男性っぽいか)ということになるでしょうか。
ひとくちにレズビアンといっても、セクの方向性によってさまざまなカテゴリーがあって、それぞれに呼び名も異なります。
例えば、フェムタチ、フェムネコ、フェムリバ、バリネコ、ボイタチ……etc.
今回はそんなちょっぴりややこしいレズ用語について解説してみます。
タチとネコ、フェムとボイの違いとは
レズビアンのセクはおおまかに言えば「タチ、ネコ、リバ」に分類されます。
タチとかネコという用語はレズにあまり興味がない女の子でも一度ぐらいは聞いたことがあると思いますが、念のために説明するとこうなります。
「ネコ」……エッチするとき受け身になる派
「リバ」というのはリバーシブルの略で、相手によってタチとネコのどちら側もイケる派を指します。
リバの反対語で「バリ」も存在します。バリというのはリバの逆で、タチならタチだけ、ネコならネコだけしかしたくないレズビアンです。例えば、どんな相手にもタチとしてふるまうレズビアンは「バリタチ」、ネコとしてふるまうレズビアンは「バリネコ」と呼ばれます。
タチやネコ、リバは、セクシュアリティの中でも生物学的なセックスに属する用語です。一方、レズビアンのセクをジェンダーでカテゴライズした「ボイ、フェム」という呼び方があります。
少々複雑ですが、レズビアンの中にも「私は男っぽくいたい」とか「私は女性らしくいたい」といった自分自身のありたい性が存在します。それがレズのジェンダーだと理解しておいてください。
ボイとフェムの違いを説明すると、こうなります。
「ボイ」
ボーイッシュの略。男っぽくしたいレズビアンのこと。大抵、短髪でパンツスタイルやメンズ風ファッションを好みます。基本的に化粧はせず、眉毛だけを整えてあとは最低限リップをする程度というパターンが多いようです。
わかりやすく言うなら、宝塚の男役みたいな。少女漫画に出てくるような、女子校でよくモテるイケメンタイプの女性です。
「フェム」
フェミニンの略。女性っぽくしたいレズビアンのこと。フリフリやレースといった女の子らしい服装や格好を好みます。
ボイとは対照的にメイクはバッチリ派で、ヘアスタイルもロングが主流。仕草や雰囲気が柔らかくて、可愛らしさを追求するタイプです。
レズ用語の分類
レズビアンのセクは、基本的に以上の組み合わせでさまざまにカテゴライズされます。
わかりやすいように、一覧にしてみました。
フェムタチ | 見た目は女性っぽいタチ役 |
フェムネコ | 見た目が女性っぽく受け身 |
ボイタチ | 見た目が男性っぽくタチ役 |
ボイネコ | 見た目が男性っぽく受け身 |
フェムリバ | 女性っぽくてタチもネコもOK |
ボイリバ | 男性っぽくてタチもネコもOK |
バリタチ | タチオンリー |
バリネコ | ネコオンリー |
3つ以上の要素がまたがる場合もあります。
ネコ寄りのリバ | 基本的にはネコだけどタチもOK |
タチ寄りのリバ | 基本的にはタチだけどネコもOK |
フェムのリバタチ | 見た目が女性っぽく、基本的にはタチだけどネコもOK |
フェムのリバネコ | 見た目が女性っぽく、基本的にはネコだけどタチもOK |
ボイのリバタチ | 見た目が男性っぽく、基本的にはネコだけどタチもOK |
ボイのリバネコ | 見た目が男性っぽく、基本的にはネコだけどタチもOK |
フェムのバリタチ | 見た目が女性っぽく、タチオンリー |
フェムのバリネコ | 見た目が女性っぽく、ネコオンリー |
ボイのバリタチ | 見た目が男性っぽく、タチオンリー |
ボイのバリネコ | 見た目が男性っぽく、ネコオンリー |
……などなど。うーん、ややこしい(笑)。
他にも「バイネコ」や「バイタチ」というのも存在します。
バイというのは「バイセクシャル」のこと。基本的にレズビアンでありながら、男性とも性行為ができる同性愛者を指します。
つまり、この場合は「バイネコ=受け身のバイセク」、「バイタチ=タチ役のバイセク」ということになります。
レズビアン専門用語は、上記以外にもここでは紹介しきれないほどたくさんあります。主なものをまとめてみましたで参考にしてみてください。
その他の百合用語
誘いネコ
性行為で受動的な側であるが、ただ受け身に時を待つのではなく、行為が始まるようしむけるために積極的に誘いをかけるネコ。甘え上手な人が多い。いざ行為が始まってからは受け身になる。
ジャリタチ
子供っぽいボーイッシュなタチ。時に非常識・粗暴・無神経なレズビアンを示す、ややネガティブな言葉として使われることもある
スカタチ
性行為で能動的な側であるが、スカートをはくなどフェミニンな衣装を好む人。フェミニンな衣服=スカートとも限らないことから、現在では同義語のフェムタチと言うことが多い。(反対語:ズボネコ、ボイネコ)
フェム×フェム
自身がフェミニンであり、恋愛対象もフェムのみの場合、自己紹介などで略称的に用いる。日本でしか使われない。
まとめ
タチやネコ、フェム、ボイといったレズビアン用語について説明してみましたが、いかがでしたか? いろいろな用語がでてきたので、頭が混乱してしまった人もいるかもしれませんね。
レズ用語は奥が深く、性的嗜好がストレートな女性はもちろん、アライ(※)と呼ばれる人にとってもわかりにくいものです。
なぜわかりにくいのかと言えば、それは一種の隠語のようなものだからでしょう。つまり、わかる人にだけちゃんと伝わればそれでいいんです。
また、細かくカテゴライズすることで、初対面の相手にも自分のセクを端的に伝えられるという利点があります。ややこしいのにもちゃんとした意味があるわけですね。
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